なぜ精神障害者が就職できないのか?! 当事者が3つの理由を考えてみた

うつ男
躁うつ病のぼくは、会社に就職できないのだろうか……。
うしらく
いや、悩むのはまだ早いよ!オープン就労で働いてたぼくが「就職できない理由」を分析してみようか!

うしらく(@ushiraku)だ。ども!

LINE@でよく寄せられるお悩みに「精神障害があるから就職できません」というものがあるんだけど。

でも、ちょっと待ってほしい。

そもそも、なぜ「就職」という形にだけ囚われてるんだろう?

うしらく
躁うつ病をオープンにして2年間働いたぼくが、あなたの悩みを分析してみるよ!

上の動画では、ブログ「メンタルハック」を運営されてる、ほっしー( @hossy_FE_AP )さんと『精神障害者雇用の現実』について対談したよ。

ここでしか聞けないぶっちゃけトークをしたので、ぜひ聞いてみてほしい。

うしらくは、躁うつ病(双極性障害Ⅱ型)歴6年

まず、本題に入る前にぼくの病歴を話そう。

ぼくは、25才の頃(2011年夏)に過労が原因で、躁うつ病を患った。

以降、6年間にわたり毎月の定期通院を続けている。

ちなみに、主治医からは「フルタイムでの就労は難しい」と言われている。

なので、この時点でぼくは、フルタイム就労以外の働き方を考えることにした。

収入源は障害年金とパートタイム給与がメイン

そんなぼくの収入源は、障害年金とパートタイムでの給与がメインだ。

この2つを足すと、とりあえず一人暮らしできる程度の生活資金は確保できてる

また、外部メディアでライター業をしたり、メルカリで物を売ったりして収入源を増やしてもいる。

うしらく
ブログでの収益は、残念ながらまだないw
ポイント
障害年金とパートタイム給与で、普通に暮らせる。

精神障害者が就職できない理由を、当事者のぼくが3つ考察してみた

さて、ここからが本題。

うしらく
さっそく、考察点を挙げてくよ!

1.そもそも正社員じゃないとダメなのか?パートやアルバイトでいいやん

ネットで調べると、精神障害者の雇用問題について悲観的な意見を多く目にする。

入院中ではない精神障害者のうち、1.7%以下しか民間企業で雇用されていない

というのが現在の状況です。

人類が皆労働すべきとは思いません。働けない事情があったり、働きたくない事情があったりします。主体的に労働をやめる人もいますし、雇用されなくても家事などの労働を毎日している人もいます。それは大前提です。

だとしても、1.7%以下ですから、100人に1人、多くても2人程度です。入院中の人も含めると、精神障害者の中でも一握りどころか、ひとつまみの人しか働けていないのが現状です。

メンヘラ.jpより引用

が、これはあくまで「正社員での就労」に焦点を絞った意見となっている。

つまり、フルタイム雇用以外の就労形態は含まれていないのだ。

ぼくは精神障害をオープンにして「パート」として働いていた

一度ここで、ぼくの話をさせてもらうと。

ぼくは2年間とある書店で働いていたのだけど、そこでは精神障害をオープンにして、パートタイムで働いていた。

  • 一日5時間
  • 週4日勤務
  • 一週間の労働時間が20時間くらい

と、まあこんな感じ。

ただ、その書店では障害者雇用ではなく、一般のパート社員として働いていた。

なので、ぼくの働き方は「精神障害者の雇用統計」の数字に含まれていない。

うしらく
正社員にならずとも、生きてけるのにね。パートでもいいじゃん?

正社員雇用だけにこだわらなければ、働き方はなんぼでもある

正社員雇用にだけ固執しているから「就職できない」と悲観的に考えてしまうのだ。

じゃあ、もうパートやアルバイト、もしくは就労継続支援A型などで働けばいいじゃん。

障害年金と給与を足して、生活費を稼げればいいだけの話で。

うしらく
こんだけ働き方が多様化した現代なのに「正社員」にこだわるのって、バカげてるよ!
ポイント
パートタイムの仕事は、体に負担がかかりにくい。

2.精神障害者は体調の変化に波がありすぎる

これはぼくの経験談からくることなのだけど、体調の変化の波が激しいと仕事が続きにくい。

というのも、うつ状態でダウンした場合、バスや電車に乗ることすら苦痛になるからだ。

つまり、通勤すら出来なくなってしまうということ。

うしらく
ぼくは通勤に40分くらいかかったので、うつ状態のときはきつかったよ……。

一度「欠勤」しだすと、上司に電話するたび気が滅入る

ぼくは主に梅雨から夏にかけてが一番体調の波が安定せず、欠勤することが多かった。

で、欠勤するときは朝イチで上司に電話するわけなんだけど。

通話ボタンを押す指が、めっちゃ震えるのだ。

しかも、あらかじめセリフを2~3回リハーサルしないと、どうにも不安になってしまって、電話する度に神経をすり減らしてしまう。

こういうのが何日も続くと、次第に「自分は会社にとって荷物なんじゃないか」と思うようになり、会社を辞めたくなる。

で、辞めたら辞めたで、仕事が続けられない自分を責め、社会復帰が遅れてしまうのだ。

うしらく
ならばやはり、パートかアルバイトで週2~3日勤務とかで働けばいいのではないかと。

ハードルを下げた働き方のほうが、自分にとって楽だと思うので。

ポイント
「体調が悪くなったとき」も想定して仕事を選ぼう。

3.精神障害者にとって「接客業」は苦痛でしかない

まず、精神障害者にとって接客業は苦痛でしかない。

なぜかというと、体調が悪い時にニコニコとした笑顔は作れないし、そういう時に限ってめんどくさい客がくるからだ。

例えば、うつ状態の時に5時間近くレジに立ちっぱなしって地獄でしょ?

客とコミュニケーションをとらないといけない仕事は、常に一定の精神状態を保ってないといけないので、仕事選びの候補から外したほうがいい。

精神障害者は「人と関わらない仕事」をするのが吉

ぼくは、書店の物流部門に配属された。

物流は基本的に入荷作業なので、一人でやっていた。

うしらく
勤務時間5時間のうち、4時間は一人で仕事してたよ!

まぁ、それでも電話応対とか宅配業者とのやりとり等はあったので、完全に一人作業ではなかったのだけど。

一人でできる単純作業がおすすめ!

例えば、パソコン入力がメインの事務職とか、清掃の仕事なんかはあまり人と関わらなくて済む仕事なんじゃないかなと思う。

なので、仕事を選ぶ時は「自分の体調に負担がかからなそうなもの」を優先してみてはどうだろう?

うしらく
一人でコツコツできる単純作業は、選択肢としてアリだと思ってるよ!
ポイント
一人でコツコツできる仕事がオススメ。

うしらく的まとめ

躁うつ病のぼくにとっての理想は、やはり在宅で完結できる仕事だ。

それはブログだったりライター業だったりするのだけど、これらの仕事だけで食べてくのはかなり無理ゲーだとも思ってる。

なので、ぼくが考える現時点でのベストな働き方は、

  1. 障害年金
  2. パートタイム給与
  3. ブログなどの収益

この3つを足した、生活基盤を作ることだ。

一人暮らしのぼくでも普通に生きてるので、実家暮らしの人はまだまだ選択肢があると思う。

また、フルタイム就労がしたい人でも、まずはパートタイムで体を慣らしていって、少しずつ就労時間を増やしてみる…というやり方はどうだろう?

うしらく
在宅ワークを「リハビリ」として活用する方法も、オススメですよ!

精神障害者にこそできる仕事! 在宅ワークであなたの得意を120%活かすためのコツとは

2018-05-15

ABOUTこの記事をかいた人

「うつ予防」の悩み相談屋。25歳で躁うつを発症し、自殺未遂→日本のうつ・自殺問題について海外テレビから取材→リハビリ生活を経て社会復帰→年間100件以上の人生相談にのりながら、「うつにならない社会」を作るために情報発信をしています。