弟を「傷害罪」で刑事告訴した話と、家族を法律で裁くまでの手順

ども。うしらく(@ushiraku)です。

2012年9月末。ぼくは実の弟から一方的に暴行を受けました。

顔を数か所殴られた後、背後から首を絞められた。プロレスのチョークスリーパーみたいな感じで。

その後、母が110番通報したのですが、警察が来るまでに弟がつぶやいたひと言にショックを受けました。

弟「殺すつもりで首を絞めた。」

この言葉を聞いた瞬間、「刑事告訴」という言葉がぼくの脳裏をよぎりました。

さて、今回の記事は主にこういう人にこそ読んでほしいです。

  • 家族から暴行を受けていてつらい人
  • 家族を刑事告訴したいけど迷ってる人
  • 家族を刑事告訴している最中だけど心が折れそうな人

当時のぼくの身に起こった事例を書きつつ、傷害罪についてや、実際に刑事告訴したときの手順及び法テラスの利用方法などを説明していきます。

あなたが抱えている不安や恐怖を少しでも和らげ、折れそうな心を支えることができたらなと思っています。

ぼくの一件は、残念ながら「不起訴」で終わってしまいました。つまり、裁判するまでもない「無罪な事件」と判断されたということです。

ぼくが弟を「傷害罪」で刑事告訴するに至るまで

では、早速、ぼくの身に起きたこと。弟を傷害罪で刑事告訴するに至った経緯からお話します。

が、その前に、まずはぼくの家族構成から説明させてください。

うしらく家の家族構成

母、ぼく、弟の3人で暮らしていました。

  • 母はヒステリックな性格の持ち主
  • 弟はアスペルガー症候群

この2人はほぼ毎日のように言い合いや衝突をし、ぼくは仲介役になることが多かったです。

 

弟は機嫌を損ねると家の中の物を壊していた

弟は機嫌を損ねて激昂すると、家の中のモノに八つ当たりし、壊していました。

  • 壁やふすまを殴り、穴をあける
  • 私物(ギター、ゲーム機など)を床に叩きつける
  • 母の行く先をストーカーし無茶な要求を繰り返す

大まかに挙げると上記のような感じなのですが、弟の破壊行動はまだまだ書ききれません。

 

事件当日、弟は母にまた無茶な要求をしていた

事件当日。夜の8時頃になり、弟が母に無茶な要求をしました。

弟「今から車で山口県に連れていけ。」

なぜ、いきなり山口県に行くと言い出したのかは意味不明でした。が、ぼくが住んでいる福岡県からは車で片道1時間はかかります。

夕飯もまだ食べていないのに…。

また、弟から母に要求する内容がエスカレートしていたので、流石にもうアカンやろと思ったんです。

注意せな、もっと悪化する。いい加減、注意しないと。

そこで、ぼくは弟に注意したのですが、このひと言を機に、弟がこちらに向かってきました。

鬼のような形相で。

 

激昂した弟がいきなり殴りかかってきた

うしらく家、リビング。

ぼくと弟との間合いは5メートルくらいは離れていたはずですが、気がついたら弟に殴られていました。顔を3ヶ所。

その後、床に押し倒され、マウントをとられまいと立ち上がったぼくは、気がついたら弟から首を絞められていました。チョークスリーパーのような体勢で

何秒間首を絞められていたのかは分かりませんが、母がほどいてくれ、とりあえず殺されずに済みました。

 

110番通報してから警察が自宅に来るまでの間、「殺すつもりで首を絞めた。」と弟は言った

母が110番通報をしてから警察が自宅に来るまでの間、少しだけ時間がありました。そこで、弟が放ったひと言が、ぼくを「刑事告訴」へと突き動かすことになります。

そのひと言が、「殺すつもりで首を絞めた。」です。

うしらく一家は、警察署で事情聴取を受ける

その後、警察が家に来てからは、家族別々に警察署で事情聴取を受けました。

事件が起こったのが、夜8時頃。

そこから一通り事情聴取を終えたのは、夜11時くらいだったと思います。

殴られた痛みと、絞められた首の苦しさを引きずりながら帰宅。ぼくと母は自宅で、弟は知人宅で数日間過ごすことになります。

暴行の再発を防ぐため、物理的に距離を空けました。

 

事件があった日以降、ぼくは家を出て一人暮らしを始めた

元々、ぼくは2012年10月から一人暮らしを始める予定でした。が、9月末に弟から暴行を受けた。

最悪の形で、しかも逃げるように始まった一人暮らし。

今振り返って見ると、一人暮らしの算段がついていて良かったです。

だって、首を絞めてきた相手と同じ屋根の下で暮らしていくだなんて、とてもじゃないけど考えられません。恐怖でしかないです。

ぼくが弟を傷害罪で刑事告訴する決意をしたのは、このタイミングで一人暮らしが出来てたのが大きいです。

もし、そうじゃなかったら、刑事告訴はしていなかったかもしれない。

同じ家で、毎日顔を合わせなければならないですからね。また暴力で脅されたかもしれないし

不幸中の幸い…だったのかな?

事件後、警察署での事情聴取などのやりとり

ここでは、ぼくと警察とのやりとりを書いていきます。

加害者に刑罰を与えるには被害届ではなく「刑事告訴」をする必要がある

暴行をしてきた相手(加害者)に刑罰を与える場合、もしくは事件をちゃんと調査してほしい場合は「被害届」じゃダメ。

ぼくは当初、刑事告訴という言葉すら知りませんでした。ので、事件当日に警察署で事情聴取を受けたとき「被害届」を出すことを伝えました。

だがしかし、暴行や傷害を受けた場合、加害者を法律で罰するには被害届ではダメなんです。

刑事告訴と非常に似たものに被害届がありますが、犯罪被害に遭ったという事実を申告する点は刑事告訴と同じですが、明確に加害者への処罰を求めた意思表示をしていない点が大きな違いです。

捜査機関が被害届を受理したとしても、法的に捜査機関が捜査を行う義務が生じません。

一方で、刑事告訴と刑事告発が受理されたのであれば、捜査機関は捜査を行う義務が生じてきます。

引用:刑事事件弁護士ナビ

 上の引用だと言葉が難しいので、ぼくなりにざっくり訳しますと。

  • 被害届は捜査を行う義務がない
  • 刑事告訴は捜査を行う義務がある

となります。

つまり、刑事告訴のほうが、加害者を処罰してくれと伝える点において「強いカード」ということになります。

 

当初、この事件はただの兄弟喧嘩として片付けられそうになった

なぜ、ぼくが頑なに「刑事告訴」にこだわったかというと、警察側でただの兄弟喧嘩として片付けられそうになったからです。

というのも、事件当日以降、警察から何の連絡もなかったから。ぼくはてっきり、自宅に来て現場検証とかしてくれるものだと想像していたので。

でも、ネットで調べてみると、被害届ではちゃんと捜査してくれないことが分かった。刑事告訴じゃないとダメなんだと、そう思ったわけです。

 

刑事告訴の意思を伝えると、警察は冷たい目でぼくを見てきた

ちゃんと捜査をしてほしいと思ったぼくは警察署に電話し、担当の警察官に「弟を傷害罪で刑事告訴します」と伝えました。が、警察からの対応はめっちゃ冷たかった。

警察「身内でわざわざ刑事告訴しますか。”今回”は穏便に済ませたらどうでしょうか?」
うしらく
いや、「次回をなくすため」に刑事告訴するんでしょ。

ケースや警察官によって対応の仕方は違うかと思いますが、身内を刑事告訴することに対してはかなり冷たい目で見られました。

なぜ? こちらからは一切手をだしていないのに、穏便に済まさなきゃいけないの? おかしくね?

でも、警察から冷たい目で見られようとも、ぼくはどうしても弟を許せなかったので、刑事告訴の道を選びました。

傷害罪について

刑事告訴の説明に入る前に、一旦「傷害罪」について説明します。

傷害罪とは

第三者から暴行を受けた場合、「暴行罪」と「傷害罪」とで分かれます。この両者は似ているようで、少しだけ違うんですね。

傷害罪とは、人の身体に傷害を負わせる行為に関する犯罪で15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。

「相手を殴って怪我をさせたら」というイメージが一般的ですが、例えば、精神的苦痛を与え続けて相手がうつ病になっても傷害罪になります。

引用:刑事事件弁護士ナビ

傷害罪の定義を解釈するのはちょっと難しいんですけど、ざっくり箇条書きにしてみます。

  • 第三者から暴行を受け、傷害(ケガ)を負った
  • ケガの度合いが重い
  • 精神的苦痛を受けた

この辺の見極めはなかなか難しいところがあるので、暴行を受けたらすぐに病院に行って、医師に診てもらいましょう。

この時、診断書を書いてもらうのをお忘れなく!

傷害罪のほうが暴行罪よりも罪が「重い」

傷害罪と暴行罪の見極めは難しいところではあるんですけど、とりあえずイメージとして覚えておきたいのは、罪の重さです。

これは、傷害罪の方が重い罪となります。

一般的には、「殴ったら(暴行罪)怪我をした(傷害罪)」というように、暴行罪の延長線上に傷害罪があります。暴行罪か傷害罪かの分かれ目は上記三点の傷害に関する考え方を加味してそれに当てはまるようであれば傷害にはなります。

しかし、一般的な刑事事件では全治5日程度が傷害罪か暴行罪の分かれ目になり、軽微な怪我では暴行罪として処理されることも多いようです。

引用:刑事事件弁護士ナビ

全治するのにどれくらいの日数がかかるのか

ここが暴行罪と傷害罪を分ける上での、大きな線引になるようですね。

刑法204条には、「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」とあります。たとえ傷害でも最大で15年の懲役を受けることもあります。もっとも、ひとえに傷害と言っても度合いが異なります。

引用:刑事事件弁護士ナビ

ポイント:暴行罪よりも傷害罪の方が罪が重い

刑事告訴について

前置きがかなり長くなりました。

少しでも細かく書いたほうが、これから刑事告訴を考えているあなたのケースと照らし合わせてもらいやすいかなと思ったので、できるだけ詳細を書きました。

ここからは、刑事告訴について説明していきます。

ぼくは法律の専門家ではありません。なので、他のサイトから引用させていただきつつ、自分なりに咀嚼して解説していきます。

刑事告訴とは

そもそも、まずは刑事告訴って何なのかというところからいきましょう。

刑事告訴(けいじこくそ)とは、犯罪の被害者や被害者の法定代理人などが警察官や検察官、労働基準監督署の捜査機関に対し犯罪事実を申告し、加害者の処罰を求める意思表示の事を言います。

刑事事件では現行犯逮捕もありますが、刑事告訴を受けてから警察の捜査がされ、逮捕に至るケースも多くあります。

かなり砕いて言うと「犯罪被害に遭ったので、加害者に罰則を与えて下さい」と明確に意思表示することですね。

引用:刑事事件弁護士ナビ

ここに書かれている通り、刑事告訴とは、被害者もしく法定代理人が「加害者に対して刑罰を与えて下さい(法で裁いて下さい)」と意思表示をすることです。

告訴が受理されると、警察側に捜査の義務がはたらくので、ちゃんと捜査してもらえるようになります。

後述しますが、刑事告訴するにあたっては「告訴状」を作り、警察に提出する必要があります。

ここが一番の山場です。

刑事告訴するために必要なもの

ぼくが刑事告訴をするにあたって用意したものは、大きく分けて3つです。

これは必需品ですので、ぜひ揃えましょう。

1.告訴状

先ほども触れた「告訴状」。

この告訴状は、あなたが加害者を「刑事告訴しますという意思表示」を明確にするための書類です。これが無いと、告訴することが出来ません。

告訴状の作成は、弁護士に依頼しましょう。やはり、専門家の力を借りるのが一番ですから。

弁護士への依頼方法についてはこの後、触れていきます。

2.診断書

告訴状と同じく大切なのが、診断書

あなたが負っているケガが、全治どれほどのものなのか。

もしくは、外傷以外にも後遺症として残っていないかを、医師に診断してもらいます。

ぼくの場合ですと、顔と首もと、背中に痣が出来ていました。ひと目で分かる外傷です。

この他にも、頭痛や吐き気、不眠症や食欲不振がありました。ので、受診した病院は、

  • 外科
  • 内科
  • 精神科

です。自分の症状を細かく診てもらいたかったのと、少しでも優位に立てる情報が書面で欲しかったので、3つの病院を受診しました。

診断書は、全て自費。一通3000円くらいだったので、トータルで1万円は払った記憶があります。

3.証拠物(写真、実物)

最後に、証拠物をちゃんととっておくことが大事です。

傷跡はデジカメかスマホカメラで写真を撮り、プリントアウト。これは告訴状とセットで提出します。

物が壊された場合は、実物を保管しておきましょう。写真撮影も忘れずに。

ぼくは、当時着ていたTシャツを破られたので、実物を保管し、写真にも撮りました。

法テラスを利用して、弁護士に刑事告訴の相談をしよう

ぼくは事件当時、被害届と告訴の違いすら分からない人間でした。というか、今も法律については知らないことだらけなのですが。

じゃあ当時、どうやって乗り切ったかというと、ネットでひたすらに調べたんです。

でも、ぼくと同じ事例で刑事告訴をしている情報が全くなかった。

家族を訴えるって、あまりないケースなんですかね……。

で、行き着いたのが法テラスです。

法テラスとは?

法テラスとは何なのか、公式ページから引用させていただきつつ、ご紹介します。

全国の相談窓口が一つになっていないために情報にたどりつけない、経済的な理由で弁護士など法律の専門家に相談ができない、近くに専門家がいない、といったいろいろな問題があり、これまでの司法は使い勝手がよいとは言えないものでした。

そうした背景の中、刑事・民事を問わず、国民のみなさまがどこでも法的なトラブルの解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるようにしようという構想のもと、総合法律支援法に基づき、平成18年4月10日に設立された法務省所管の公的な法人。それが、日本司法支援センター(通称:法テラス)です。

お問い合わせの内容に合わせて、解決に役立つ法制度や地方公共団体、弁護士会、司法書士会、消費者団体などの関係機関の相談窓口を法テラス・サポートダイヤルや全国の法テラス地方事務所にて、無料でご案内しています(情報提供業務)。

また、経済的に余裕のない方が法的トラブルにあったときに、無料法律相談や必要に応じて弁護士・司法書士費用などの立替えを行っています(民事法律扶助業務)。

引用:法テラスとは

文面で見るとちょっと難しくて分かりづらいので、かいつまんで箇条書きにしてみます。

  • 法テラスは、国によって設立された法的トラブル解決のための「総合案内所」
  • あなたが困っている問題に最適の相談窓口、専門家(弁護士など)を紹介してくれる
  • あなたに経済的余裕がない場合、無料法律相談や弁護士・司法書士費用などの立替えを行ってくれる

まとめると、「法的トラブルで困ったとき、総合的に相談に乗ってくれる案内所」となります。

あなたが今抱えている案件を法的に解決したいけど、どこに相談したらいいか分からない。そんな時は、法テラスに相談してみてください。

法テラスホームページはこちらから

法テラスに相談し、弁護士を紹介してもらうまでの流れ

ぼくの例でいきますと、ぼくはまず、法テラスの代表番号に電話しました。

そこで、自分が今あっている被害の詳細と、弟を刑事告訴したいことを伝えた。

その後、話を聞いてくれた相談員が「犯罪被害にあった人用の相談窓口」を紹介してくれたので、そこに電話。

そして、ぼくが住んでいる福岡県内の弁護士を紹介してもらい、以降は弁護士に刑事告訴の相談をした…という流れになります。

順番としては、

  1. 法テラスの代表番号に電話
  2. 犯罪被害にあった人用の相談窓口に電話
  3. 弁護士に直接相談

の3ステップを踏んだということになります。ちょっとややこしいですが。

まぁでも、自分の被害ケースに適した弁護士を紹介してもらえたことにより、告訴状についての相談が一気にできるようになりました。

弁護士との相談のやりとりについて

はい、ここでは弁護士とのやりとり一連について書いていきます。

そもそも、人生で弁護士に何かを相談することって自分には無関係だと思ってたので、当初はとても不安でした。

が、担当してくださった弁護士の方はとても親切にリードしてくれたので、不安な気持ちが和らぎましたね。

弁護士とのやりとりは電話とメールで行う

ぼくは、地方に住んでいるので、都市部にある弁護士事務所には通えませんでした。

ので、相談のすべては電話とメールで行いました。

 

1.電話で、被害にあった経緯を話す

まず、初回の電話で、自分が被害にあったときの状況を伝えます。

そして、自分がこれからどうしていきたいのかを話す。ぼくの場合は、「弟を刑事告訴したいです」と伝えました。

弁護士は警察とは違って、刑事告訴について冷たい対応をすることはありませんでした。

 

2.メールで、告訴状を作るために必要な情報を伝える

メールでは、告訴状をつくるにあたって必要な情報を伝えました。

  • いつ(◯月◯日~時頃に)
  • どこで(被害にあった場所)
  • 誰から(加害者の名前)
  • なにをされて(暴行をうけた等)
  • どうなった(全治◯日の傷を負った)

などの情報を出来るだけ細かく書いて、メールします。

箇条書きにし、時系列で並べると整理しやすいのでオススメです。

その後、こちらから送った情報を元に、弁護士の方で告訴状の形式に書きおこしてくれます。

 

3.正式な告訴状が郵送で送られてくる

メールで告訴状作成のやりとりを終えた後、弁護士事務所から自宅あてに「告訴状」が送られてきます。確か、郵便の「書留」で届きましたね。

ここまでの流れ…弁護士への電話相談から、告訴状完成までにかかった時間は2週間くらいだったと思います。

うしらく
ちょっと記憶が曖昧で、申し訳ないのですが。

 

4.警察署に告訴状を提出(弁護士同席)

ここで書く内容は、少し特殊な事例かもしれません。

というのも、ぼくは当初、警察署への告訴状の提出は一人で行く予定だったから。でも、弁護士が都合を合わせてくれて、同席してくれたのです。

これはかなり心強かったですね。もし可能ならば、弁護士に同席してもらうことをオススメします。

告訴状を提出し終えたあとは、「検察」からの連絡待ち

長きにわたった、告訴状作成から提出までの道のり。

でも、ここで終わりではありません。

後日、今度は「検察」から電話がかかってきます。内容はまた、「本当に刑事告訴しますか?」と念を押すようなものでした…。

刑事告訴する旨を伝え、電話終了。

その後、検察から刑事告訴についての「通知の書類」が送られてくる

そこから先は、検察から送られてくる「書類」を待つことになります。

そして、この書類が、「起訴か不起訴かの決定通知」になるのです。

どれくらい待ったかは覚えてませんが、忘れたころに届きましたね。

ぼくは残念ながら、「不起訴」に終わりました。

捜査の終結段階で,当該被疑者につき検察官が公訴を提起しないことにする処分。

捜査の結果,被疑事件が罪とならないとき,嫌疑に証拠不十分のとき,訴訟条件を欠如するときなどのほか,検察官の訴追裁量に基づき起訴猶予処分に付する場合も含んでいる。

引用:コトバンク

つまり、裁判にすらたどり着けなかったという、あっけない幕切れとなります。

弟を、法で裁くことが出来ませんでした。無念なり。

気になる弁護士費用は?

「不起訴」に終わったことを弁護士に伝え、この一件は相談終了となりました。

そこで、気になるのが弁護士への相談費用。

当時のぼくは傷病手当を受けながらひとり暮らしをしていたので、経済的に余裕がありませんでした。

この旨をあらかじめ伝えていたのが功を奏したのか、弁護士への相談費用は全額免除となりました。

経済状況により「減額」や「免除」が適用されることがありますが、全てケース・バイ・ケースです。初回の電話相談のときに、弁護士費用についての不安やあなたの経済状況を細かく伝えましょう。

家族を刑事告訴することは悪いことなのか?

さて、この記事もいよいよ終盤です。

最後は、家族を刑事告訴することへの罪悪感についてお話しします。

ぼくは弟を傷害罪で刑事告訴したけど1ミリも後悔していない

結論からいうと、ぼくは弟を傷害罪として刑事告訴したことに対し、1ミリも後悔していません。

だって、家族だってやっていいことと悪いことがあるんだもの。こっちからは一切手を出していないんだし、弟が100%悪いでしょ。

それなのに、「家族だから大目に見る」とか「穏便に和解する」という選択肢は、ぼくには考えられませんでした。

悪いことをしたやつはちゃんと法で裁くべきです。それがたとえ、家族でも。

情や周りの意見に左右されず、あなたが「どうしたいか」で決めればいいよ

ぼくが弟を傷害罪で刑事告訴しようとした時、母や警察からは「やめたほうがいい」と言われました。「今回は許してあげたら」とも言われました。

でも、ぼくはそれらの意見を振り切って、自分の気持ちに素直になって、全力疾走しました。

ネットで色々調べ、法テラスを利用し、弁護士に相談した。結果は不起訴に終わってしまったけど、全てやりきって良かったです。

あの時、情に流され、告訴を取り下げていたら、絶対に後悔していたでしょう。

確かに、家族を法で裁くかどうかは、とても悩みどころではあります。

今後の関係性がどうなるか分からないし、周りの人たちから変な目で見られるかもしれない。ていうか、相談に乗ってくれる人もほとんどいないし。

でも、そんな暗闇の中で一番大切にしてほしいのは「自分が後悔せずに生きるには、どうしたらいいか?」という問いであり、信念。このことだけを考えてほしいです。

で、その葛藤の中であなたが決めたことなら、それがあなたにとっての正解だと思います。自分で決めたことだから。

たとえそれが、ぼくのように「不起訴」に終わってしまったとしても、です。

法テラス

  • 電話:0570078374
  • 受付日時:平日9:00~21:00 ,土曜9:00~17:00

ABOUTこの記事をかいた人

「うつ予防」の悩み相談屋。25歳で躁うつを発症し、自殺未遂→日本のうつ・自殺問題について海外テレビから取材→リハビリ生活を経て社会復帰→年間100件以上の人生相談にのりながら、「うつにならない社会」を作るために情報発信をしています。