どうも、うしらくです!
昨今のブラック企業問題や、それに伴う自殺・過労死問題を背景にして、
- メンタルヘルス対策を強化しよう!
- うつにならないように、ストレス対策に気をつけよう!
- 何か困りごとがあったら、すぐに専門家に相談しよう!
的なことがピックアップされることが多いですが、実際にメンタルヘルス環境は改善されているのでしょうか?
つい先日、小学校の教員間いじめ事件を見て、ぼくは愕然としました。
神戸市の小学校で教師4人が同僚の男性教師に悪質ないじめを行っていた問題で、いじめの様子が撮影されていたことが分かりました。
これは、去年の9月に神戸市立東須磨小学校で撮影された画像です。
羽交い絞めにされた男性教師は、激辛のカレーを無理やり食べさせられています。
さらに目や口にカレーのルーをこすりつけられていました。
いじめを行い、撮影したのは同僚の教師たちでした。
引用元:Yahoo!ニュース
メンタルヘルスの改善が必要なのはブラック企業だけでなく、むしろ教育現場や医療の現場も同じだからです。
結局、絶対に安全な「ホワイトな職場」というのは、この世のどこにも存在しないのではないか?
そう思わざるを得ません。
今回の記事では、
- 学校教育現場のメンタルヘルスの問題点とは?
- 医療現場のメンタルヘルス環境も悪化している?
- メンタルヘルスの未来は、絶望しかないのか?
の3つについて触れていきます。
教員同士のいじめは、メンタルヘルス環境が乱れた職場が原因か?
先ほど取り上げたニュースを、もう一度紹介します。
東須磨小学校では、30代の男性教師3人と40代の女性教師のあわせて4人が、同僚の20代の男性教師に悪質ないじめを繰り返していたことが明らかになっています。
関係者によると、加害者側の教師たちは、男性教師の指導を担当していて、いじめ行為は遅くとも去年の4月ごろには始まっていたということです。
去年12月には、男性教師の車の上に乗る嫌がらせもしていました。
男性教師は精神的に不安定になり9月から休職しています。
引用元:Yahoo!ニュース
このいじめ事件の特異な点は、教員同士のいじめであること。
そして、いじめを行った教師が複数人いたことですね。
つまるところ、教師たちのストレスのはけ口が、同僚であり仲間であるはずの教師に対して行われていたということです。
Yahoo!ニュースでは、6,000件以上の批評コメントが寄せられていました。
教師にストレスが溜まる原因は何なのか?
さて、この記事では、いじめを行った教師に対して原因を追求することは書きません。
なぜなら、ぼくはこのいじめ事件の本質は「〇〇が悪い!だから厳重な処罰をしろ!」という単純な問題ではないと思っているから。
教師は超多忙すぎる業務に「追われている」
あなたは、教師が日々どんな仕事をしているか、考えたことはありますか?
ぼくは前職では、某教育機関に勤めていました。
なので、多少なりとも、教師の業務について勉強したつもりです。
もちろん、ぼく自身が教師として働いた経験はないし、学校の現場で仕事をしたこともありませんから、教師の負担の全てはわかりません。
それでも、客観的に見て、教師の仕事は超多忙で、ストレスが溜まらざるを得ないと思っています。
教師は普段、どんな仕事をしているのか?
まず、教師の仕事は「授業」をするだけではありません。
授業はあくまでも業務の一部でしかなく、仕事は他にもたくさんあります。
- 授業をするための教材つくり
- テストの採点
- 生徒の進路指導
- 生徒の生活指導
- 生徒のいじめ対策
- 部活の顧問(中学校)
- 災害時の対応
- 出張
- 研修
- 異動・転勤
- 保護者の対応
- 体育祭・文化祭などの催し物
- 職員会議
- 職員会議で使う資料の作成
- 行事で使う資料の作成(保護者向け)
などなど。
おそらく、他にももっとたくさんの仕事があることでしょう。
ただ、こうやって挙げてみるだけでも、業務内容は多岐に渡ります。
ここまでの仕事量を一人で引き受けつつ、同僚の教員との人間関係を考えるのは、かなりストレスが溜まると思います。
学習指導要領の改訂
また、学習指導要領の改訂により、教科が増えたりもしていますよね。
2020年には、プログラミングが必修科目とされています。
なので、教師はプログラミングも新たに覚えなければなりません。
元々、ITに強い教師だったらプログラミングを教えるのが得意でしょうが、スマホやパソコンに不慣れな教師にとっては、プログラミングの必修化はかなり大変だと思います。
逆に、デジタルネイティブ世代といわれる子どものほうが、プログラミングに詳しい可能性が高いです。
そうなると、プログラミングが苦手な教師は、生徒からバカにされる対象になるような気がしてなりません。
新しい時代に適応するため、諸外国より優位にたつために「教育の強化」が必要なのはわかるけど、変化に対応できない教師は、どんどん増えていくでしょう。
そして、そのストレスが増幅した時に、職場内の教師同士でいじめが始まるんだと思います。
医療の現場でも、メンタルヘルス環境が悪化している?
岡崎伸郎さんの著書『メンタルヘルスはどこへ行くのか』によると、医療現場でもメンタルヘルスの悪化が懸念されています。
本書は、2002年3月10日に第1印発行。
今(2019年時点)から約17年前に出版された本ですが、かなり本質を捉えた内容です。
医療「事故」というのはまさにaccidentであって、これが頻発するというのはその職場がメンタルヘルス的に劣悪な状況にあるということを意味する。
『メンタルヘルスはどこへ行くのか』186ページより引用
筆者である石井一氏によると、医療事故が頻発する原因は「技術の進歩」が一つの要因としてあるかもしれないとされています。
しかし機械に金をかけてもヒトには金をかけない(むしろ人件費を削ってでも先端医療機器を買おうとする)のが今日の我が国の医療の現場であり、「患者の権利」が尊重されるようになったことも相俟って、患者側より治療者・介護者の方がはるかに強いストレスにさらされている。
『メンタルヘルスはどこへ行くのか』187ページより引用
つまるところ、患者ファーストにすればするほど、医療・介護スタッフの労力が増えるということです。
「メンタルヘルスケアを提供する側」のメンタルが、逆に病んでいくという現象が起こっています。
今後、医療はさらに発展し、AIや5G(通信の高速化)により自動化・遠隔治療が進んでいくでしょうが、それに伴い医療・介護スタッフの適応障害が増えていくように思います。
先ほどの、教員の仕事量の増加と同じく、医療・介護のスタッフもまた「やらなければならない業務の負担」がさらに大きくなるでしょう。
そうなるとストレスが増加し、職場内でのいじめ問題が頻発化するはずです。
メンタルヘルスの未来は絶望しかないのか?
ぼくの所感では「早い対応を求められる仕事」ほど、メンタルヘルス環境の悪化が激しくなっていくと思います。
例えば、
- JRやバスの運転手
- 医療(医師、看護師)
- 介護
- 福祉系NPO法人の相談員
- エンジニア
- カスタマーサービス担当者
- 警察
- 消防
- 自衛隊
- 教師
- カウンセラー
などなど。
- 人の命を救う仕事
- 人の生活をサポートする仕事
- 人に何かを教える仕事
といった、「対人支援」の仕事は、客・利用者からの要望が多すぎるからです。
- 「もっと早く対応してください!」
- 「もっと丁寧に対応してください!」
- 「まだ順番を待たせるんですか?」
- 「なんで、もっと早くできないんですか?」
- 「お客様をなんだと思ってるんだ!」
- 「お前のせいで、〇〇が失敗したじゃないか!」
ぼくが以前やってたLINE@無料相談では、まさに上記のようなLINEがひっきりなしに送られてきました。
これからのメンタルヘルス対策はどうしたらいいの?
ぼくが常に大事にしているのは、歴史から学ぶことです。
- メンタルヘルスはいつから盛んになったのか?
- なぜメンタルヘルスが普及したのか?
- それらに共通するものは何か?
など、「本質」を見る意識を持つことを大切にしています。
そうすることで、目先のニュースやSNSでの情報に惑わされにくくなるからです。
とはいえ、どうしても時代の変化や、情報の煩雑化に「100%影響を受けない」というのは難しいと思っています。
なので、「自分の頭で考え、自分の意思で選択する」ことが大切です。