こんにちは、うしらくです。
今、この記事を読んでくれているあなたは「精神障害と働き方」について、わりとガチで悩んでいるのではないでしょうか?
こんな行き場のない不安がグルグルと身体中を駆け巡り、自分の人生に嫌気がさしている方もいるかもしれません。
6年前のぼくも、今のあなたと同じような心境のまま毎日を過ごしていました。
2011年の8月に双極性障害を発症して以降、周りにいる全ての人に対して敵意を向けながら毎日を過ごし、「何でぼくだけがこんな辛い思いをせんといけんのや?」と絶望していました。
でも、それから時間をかけて少しずつ病状が安定し、今は「寛解」して一人暮らしをしながら生きています。
仕事面においては「精神障害をオープンで就労」し、ストレスフリーな働き方をしている最中です。
ぼくが、これまでにしてきた「精神障害を克服する習慣」を8つのステップに分け、紹介していきたいと思います。
本記事がきっかけとなり、あなたの「働き方に対する」不安を解消することが出来たなら幸いです。
1.精神疾患になったのは、あなたが悪いわけじゃない
まずはじめに、あなたが病気になったのはあなたのせいではないし、あなたが悪いわけではありません。
じゃあ何がいけなかったのか?
その答えはぶっちゃけ、よく分かりません。
としか言いようがない。
こうやって書くと、「おれ(わたし)は何て不幸なんだ!」と嘆く人もいるかもしれませんが、そういった解釈もまた少し違います。
と、ここでぼくの過去話を、少しだけさせてください。
双極性障害を患ったあの日、ぼくはズタボロになった
ぼくが双極性障害を患ったのは、2011年8月のことでした。
当時勤めていたNPO法人での過労が原因で、心身ともにズタボロになったんです。
また、同じタイミングで家庭面でもトラブルが頻発し、それもかなり精神的にきつかったです。
仕事もつらく、家族との仲もしんどい。
まさに、八方ふさがりの状態でした。
なのでまぁ、ぼくの場合は「仕事と家庭でのストレス」が、病気を発症させるトリガーになったという感じでしたね。
これに関してはもう、「巻き込まれた」としか言いようがないし、今でも「自分が悪かった」とは1ミリも思っていません。
なんかこう、普通に道端を歩いていたら車にひかれた……という感じでしょうか。例えが悪いかもですが(笑)。
あなたが病気になったのは、あなたのせいじゃない!
あなたが今の病気を患った原因は、ぼくには分かりません。
でも、自ら進んで精神疾患になったわけではないですよね?
何かしらの外部要因が重なって、それらが積もりに積もって限界が来てしまった。
その結果として、病気になってしまったのではないでしょうか。
- 過労
- パワハラ
- 離婚
- 大切な人との別れ
- 幼少期のトラウマ
人によって病気になった原因は違えど、あなたの責任でないことは確かです。
だからまずは、「今あなたが精神疾患になったのは、あなたが悪いわけではない」ということを心の片隅に置いておいてください。
ただ単に、「あなたが悪いわけではない」ってだけなんです。
病気になってしまったのはもう仕方のないことなので、これからぼくと一緒に一歩ずつでもいいので、前に進んでみませんか?
2.自分の病気とうまく付き合うことが最優先事項だ
自分の病気とうまく付き合う、こう言うと難しく聞こえるかもしれません。
でも、ぶっちゃけそこまで難しくないと、ぼくは思ってるんですよね。
とりあえず、精神科への定期通院と、毎日の服薬をちゃんと続けていれば病状は少しずつ落ち着いてきます。
精神科で処方される薬は、病気を治すためのものではありません。
あくまでも『病状の波を落ち着けるためのもの』です。
ぼくは医療に関しては素人なので詳しくは分からないけど、薬を飲んで病状が落ち着くんなら、それでいいと思っています。
お薬ノートをつけよう!
とはいえ、ただ単に薬を飲めばいいわけではありません。
大切なのは「この薬は自分に合っているか?」と毎日確かめながら薬を飲むことをオススメします。
なぜかというと、人間の体は薬への「耐性」が大なり小なりつくので、その都度薬の微調整が必要になってくるから。
ぼくは6年前から今もずっと、「お薬ノート(日記)」をつけています。
やり方は簡単で、薬を飲む度に「体の変化」をノートに書き込むだけです。
- 朝:リーマス、ラミクタール、リーゼ(特に眠気なくいい感じ)
- 晩:朝と同じ
- 就寝前:ベルソムラ、クエチアピン(日によって寝付きが悪い時がある)
上記のような感じで箇条書きでいいので、薬を飲んだあとの変化をただ書くだけ。
で、このノートを受診時に持参して、医師に直接見せながら処方の微調整をします。
こういった小さな変化をコツコツ積み重ねていくことで、「今の病状に合った処方」をしてもらうといった感じです。
カウンセリングで「問題解決能力」を身につけよう
また、カウンセリングを受けることも、オススメします。
ぼくは計3年間くらい、カウンセリングを受けていました。
この間、カウンセラーは3人変わっています(退職などのため)。
カウンセリングで何をするかというと、まず「わたしの気持ち」を聞いてくれます。
とはいえ、ただ単に話を聞いてくれるわけではありません。
ちゃんと臨床心理士がリードして会話を進めてくれます。
で、「わたしの思考のクセ」とか「不安になったときの気持ちの切り替え方」とかをその都度教えてくれる、といった感じです。
カウンセリングは最低3ヶ月は続けよう!
ただ、カウンセリングはすぐに効果が出るわけではないんです。
人によりますが、大体3ヶ月間くらいは継続してカウンセリングを受ける必要があります。
これはなぜかというと、「わたし」と「カウンセラー」の信頼関係が出来るのに時間がかかるから。
安心して話せる関係性が出来て、初めて「カウンセリング」の効果が出始めるので、3ヶ月間は継続してみてください。
まぁ、カウンセラーとの相性が悪かったら別のカウンセラーに変えてもいいし、カウンセリング自体をやめてもいいですよ。
3.とりあえず病状が落ち着くまでダラダラしまくろう
ぼくは何だかんだで、双極性障害を発症してから3年間近くはダラダラして過ごしてました。
というのも、アニメを見るくらいしか出来なかったんです。体がきつすぎて。
この当時のぼくは、布団から出られない日が多々ありました。
おまけに活字が読めなくなり、大好きな読書すら出来なくなった。
なので「横になったまま出来ることって無いのか?」と考えた結果、アニメ鑑賞をすることになったんです。
ぼくは、アニメによって癒しを得た
ただ、ここからぼくはガチのアニメオタクと化していきます。
- 毎週のようにツタヤに行き、10~20本のアニメDVDをレンタル
- 毎日テレビの地上波で放送されるアニメをチェック
- ニコニコ動画でもアニメをチェック
と、一日の大半をアニメを見ながら過ごしていました。
おそらく、寝てる時と飯食ってるとき以外は、常にアニメ見てたような気がします(笑)。
でも、こうやって2次元の世界(アニメの世界)に現実逃避することで、ぼくの心は少しずつ癒やされていったのも事実です。
この時は「アニメなんか見てていいんだろうか?」とか「ぼくの人生、棒に振ってる感じがする……」と、どこか引け目に感じてる部分もありました。
アニメ好きが仕事になった!
が、それから6年たった今(2017年)。
なんと、ぼくのアニメ好きが仕事に繋がったんです!
とあるアニメメディアにて、アニメの考察記事を週1で連載することになったと。
これには、自分でも驚きました。
あの日、「ムダな時間」だと思っていたものが、時を経て「仕事の時間」に繋がるとは、1ミリも思ってませんでしたから。
だから、もし今あなたが時間の過ごし方について焦っているのであれば、とりあえずダラダラしてみてください。
ダラダラする時間も、長い人生の中では必要なことなので。
4.なにか1つ趣味があると心に余裕ができる
日中少しずつでも動けるようになってきたら、何か楽しめる趣味に打ち込むのがオススメです。
昔から好きな趣味に取り組んでもいいし、新しく趣味を見つけるのもアリです。
大事なのは「好きなものに没頭する」ということ。
没頭というと大げさですが、楽しいことをしてるときって、ワクワクした気持ちになるじゃないですか。
こういう純粋な「楽しい」を感じ続けていると、少しずつでも「自分が出来ること」が増えていきます。
ゆっくりとでも「出来ること」は増えていく
ぼくの場合は、病状が落ち着き始めたタイミングで、ヨガを習い始めました。
最初の方はヨガ教室に行くのに緊張したけど、半年くらい通い続けると「外出すること」自体が苦にならなくなったんです。
あとはそうですね、ぼくはイラストを描くのにハマってましたかね。
アニメやマンガの絵などを描いて、それをPixivというイラスト投稿サイトにアップしてました。
- 絵描きさんと仲良くなったり
- イラストコンテストに出品したり
- 4コママンガが意外とウケたり
自由気ままに絵を描く生活が、とても楽しかったのを今でも覚えています。
▲当時描いていたイラスト
趣味って別に「上手くできなくていい」んですよ。
自分が楽しめるものを、自分のペースでやるのが一番いい。
無理に趣味を探そうとすると、それはそれでしんどいので「これやってみたいなぁ」という気持ちが自然に出てくるのを待ちましょう。
5.精神福祉サービスを使い倒すための「武器」を手に入れろ
武器、というと少し物騒に聞こえるかもしれません。
が、ここで挙げるのは、障害を克服していく上で必須なものです。
というのも、精神福祉サービスを使い倒したら、コスパ良く生きられるから。
生活コストが低ければ、収入が少なくとも普通に生活できますよ。
で、そこで必要になるのが、下記の3つ。
- 精神障害者手帳(せいしん しょうがいしゃ てちょう)
- 自立支援医療(じりつ しえん いりょう)
- 障害年金(しょうがい ねんきん)
では、1つずつ掘り下げていきますね。
1.精神障害者手帳(せいしんしょうがいしゃてちょう)
正式名称は「精神障害者保健福祉手帳」といいますが、ここでは「精神障害者手帳」とします。
名称が長すぎるので(笑)。
精神障害者手帳をひと言で説明するのは難しいのですが、あえて言うなれば
という、自分の障害を証明するための手帳です。
この障害者手帳は等級が3段階あり、その級によって「利用できる障害福祉サービス」が異なってきます。
- 1級:日常生活に家族などの介助が必要、就労は厳しい(病状重め)
- 2級:外出などは一人で出来るけど、就労制限などが必要(病状そこまで悪くない)
- 3級:医師との相談によっては一般就労できる(病状軽め)
まぁ、ざっくり言うとこんな感じですかね。かなりざっくりですが。
◯精神障害者手帳をもつメリット
手帳を持ってるメリットとしては、やはり色んな「減免・免除」を受けられることでしょう。
ぼくが住む北九州市だと、
- バスやモノレールの運賃半額
- フェリー料金半額
- 映画館の料金割引
- 公共施設使用料の免除
- 所得税の控除
- 公営住宅への優遇措置
- NHK受信料の免除
- 携帯電話(ドコモ、ソフトバンク、au)の利用料金割引
他にも色々とありますが、主要なのはこんな感じですね。
とにかく、精神障害者手帳を使い倒すと「コスパの良い人生」を送れます。
障害者手帳の申請についての詳細は、最寄りの役所にある「障害福祉の担当窓口」で相談してみてください。
◯障害オープンで就労したい方は、精神障害者手帳は必須アイテム
また、障害をオープンで就労したい方は、精神障害者手帳は必須です!
なぜかというと、ハローワークに「障害者」として登録するには障害者手帳が必要だから。
で、障害者雇用の求人を見るにも面接に行くにも、障害者手帳がないといけません。
そして、入社時も会社に障害者手帳を提示する必要があるので、障害オープンで就労したい方は、まずは障害者手帳の申請から始めましょう。
2.自立支援医療(じりつしえんいりょう)
手帳と合わせて、自立支援医療の申請もしときましょう。
と、ここでこういう声が聞こえてきそうですね。
はい、ぼくも当時はそう思っていました(笑)。
普段生活している中ではまず聞くことのない、このワード。
ざっくりいうと、『精神疾患のため精神科通院している方の医療費を、1割負担にしてくれる福祉制度』って感じです。
たとえば、ぼくは双極性障害を患っていますが、この病気は一生服薬しないといけません。
で、一生服薬しないといけないということは、一生病院に通わないといけない。
そうなると、毎回の病院受診費用だけで、莫大な金額が必要になってくるわけです。
本人支払額が「1割」になるので、超お得な制度!
そんな金銭的負担を軽くしてくれるのが、この自立支援医療という制度なんですよね。
精神科通院を長く続けるためにも、この自立支援医療の申請は絶対にしておきましょう。
申請は、最寄りの区役所(保健福祉課・障害者相談の窓口)で行います。
まずは、電話相談・窓口にて相談してみてください。
3.障害年金
さて、最後に障害年金ですね。
こちらは、精神障害者の生活を支えてくれる、貴重な柱です。
ぼくの場合ですと、障害厚生年金を受給しています。
等級は2級で、受給額は約116万円(年額)です。
これを月額に換算すると、1ヶ月あたり約10万円の年金を受給しています。
ぼくが住む地方では、一人暮らしの場合15万円くらいあれば生きてけるので、年金の10万円とパートタイム給与5万円を足せば生活は事足ります。
さて、話を障害年金に移しましょう。
まず、障害年金は大きく分けて2つの種類があります。
- 障害基礎年金(国民年金)
- 障害厚生年金(厚生年金)
字面だけ見ると見分けがつかないんですけど、この2つは似てるようで全く別物なんです。
◯障害基礎年金(国民年金)
国民年金に加入している間、または20歳前(年金制度に加入していない期間)、もしくは60歳以上65歳未満(年金制度に加入していない期間で日本に住んでいる間)に、初診日(障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日)のある病気やケガで、法令により定められた障害等級表(1級・2級)による障害の状態にあるときは障害基礎年金が支給されます。【出典・日本年金機構】
ざっくり要約すると、『精神科(もしくは心療内科)の初診日に「国民年金」に加入していた場合は、障害基礎年金の請求ができる』という意味合いです。
◯障害厚生年金(厚生年金)
厚生年金に加入している間に初診日のある病気やケガで障害基礎年金の1級または2級に該当する障害の状態になったときは、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。
また、障害の状態が2級に該当しない軽い程度の障害のときは3級の障害厚生年金が支給されます。
なお、初診日から5年以内に病気やケガが治り、障害厚生年金を受けるよりも軽い障害が残ったときには障害手当金(一時金)が支給されます。【出典・日本年金機構】
こちらは逆に『精神科(もしくは心療内科)の初診日に「厚生年金」に加入していた場合は、障害厚生年金の請求が出来る』という意味合いです。
障害基礎年金と障害厚生年金では、受給できる金額も違うので、自分がどちらに該当するのかを知るのは大切なことですね。
障害基礎年金と障害厚生年金の違いについては、厚生労働省のホームページにてマンガで分かりやすく解説されています。
とはいえ、障害年金の制度を理解するのは、すごーく難しいです。
ぼく自身、障害年金を申請した時は頭の中が「???」と、パンクしそうだったので(笑)。
◯障害年金を申請できるタイミングについて
障害年金は、いつでも申請できるわけではありません。
というのも、障害年金を申請する上で守らなければならない「条件」があるから。
その条件とは、『初診日から1年と6ヶ月間経過』していなければいけない、というもの。
もっと分かりやすく言うと『初めて精神科を受診してから1年半経たないと、障害年金を申請できない』ってことです。
この『初診日』が、障害年金を申請する上で大事になってきます。
とはいえ、自分の初診日がいつだったのか分からないこともありますよね。
その場合は、病院側に問い合わせるといいですよ。
◯障害年金で分からないことは『年金事務所』で納得がいくまで聞きまくれ!
はい、分からないことはその道のプロに聞くしかありません。
年金のプロは年金事務所の職員なので、そこで障害年金について詳しく聞いてみましょう。
ぼくは当時、かなり質問攻めしました(笑)。
ここで聞くポイントとしては、
- 保険料の納付条件を満たしているか?
- 障害基礎年金と障害厚生年金のどちらに該当するか?
- 障害年金の金額の違いについて
- 精神科を何度か転院してる場合、書類請求はどうすればいい?
など。上記はぼくが実際に質問攻めした項目です。
障害年金の請求条件を満たしている場合、年金事務所の相談員から「この書類を提出してください」と言われるので、あとはその書類を集めて提出するだけです。
まぁ、この書類集めと書類の記入が、かなーり面倒なんですけどね。
病院のソーシャルワーカーに頼るのもアリ
書類の書き方がわからない場合は、病院に在中している「ソーシャルワーカー(社会福祉士、精神保健福祉士)」に相談するといいですよ。
事実、ぼくはソーシャルワーカーに相談しながら、書類の記入を終えましたので。
書類の書き方から添削まで、親身になって相談にのってくれました。
一人で請求手続きをするのは意外と心が折れるので、こうやって頼れる専門家に相談するのがオススメです。
めっちゃ人が多く、予約なしで行くと大変混み合うので。
年金事務所の予約相談は、下記の電話番号から手続き出来ますよー!
6.社会復帰への第一歩を踏み出そう
さて、ここでは社会復帰するための「ステップアップ」についてお話します。
ぼくがオススメする社会復帰への第一歩は、2つのパターンがあります。
【その1】職業訓練校に通ってスキルを身につける
まず1つめは、職業訓練校に通ってスキルを身につけることですね。
というのも、ぼく自身が職業訓練校に通っていたから。
ぼくが通っていたのは、2013年の夏頃だったと思います。
期間は3ヶ月間くらいでしたかね。
で、この職業訓練校の何がいいって、「障害者専用」の学校があるんですよ。
- 身体障害
- 知的障害
- 精神障害
学校によって違うんですが、基本的に3障害を受け入れてくれます。
一日の授業時間は大体4時間くらい。
朝10時~夕4時まででした。
この間、45分おきに10分間の休憩があり、お昼は1時間の休憩がありました。
◯受講料は完全無料のところが多い
また、受講料が完全無料のところが多く、金銭的負担に関して悩まずに済みます。
ぼくは失業保険受給中に職業訓練校に申込んだので、受講しながら失業給付金をいただいてました。
で、3ヶ月間の受講を終え、障害者雇用の求人に応募して、社会復帰していきました。
この職業訓練校に関する情報は、ハローワークに行けば教えてくれるので、ぜひ聞いてみて下さい。
この時、障害者手帳を持っていることと、「障害者枠の職業訓練校を探している」ことを伝えましょう。
あなたの希望条件にあった職業訓練校がすぐに見つかるかは分からないけど、行動するだけの価値はありますよ!
【その2】日中活動の場として「B型作業所」を活用する
職業訓練校に通うのが体調的に厳しい方は、B型作業所に通うという選択肢もあります。
そもそもB型作業所とは何なのかというと、「雇用契約を結ばずに短時間労働をして、工賃を貰う場所」という事業所のことです。超ざっくりですが(笑)。
正式名称は、就労継続支援B型事業(しゅうろうけいぞくしえんBがたじぎょう)といいます。
就労継続支援というだけあって、この作業所で少しずつ日中活動の時間を増やしていって、その先に「一般就労」などを目指すためのプラン作成もしてくれます。
なので、まぁ「社会復帰へのリハビリ」として利用するのが、一番賢いかと思います。
◯作業内容
作業内容は、事業所によってかなり異なります。
ぼくが通っていたB型作業所は、洗濯機に使うフィルターの枚数を数え、袋詰めしていく作業でした。
作業中は、職員さんや他の利用者さんと雑談しながら袋詰めしてたので、アットホームな感じで楽しく仕事できましたね。
◯利用時間
利用時間は3パターンに分かれていました。
- 午前のみ2時間
- 午後のみ2時間
- 午前と午後の4時間
◯作業工賃
工賃については、事業所によって違います。
ぼくが通っていた作業所は、日給1000円でした。
時給ではなく『日給』です。
なので、
- 一日2時間働いても1000円
- 一日4時間働いても1000円
ということですね。
ぼくは毎月16日(午前2時間)勤務だったので、
くらいの工賃でした。
◯作業所を利用する際の注意点
作業所はB型・A型問わず「福祉サービス」です。
なので、利用するには最寄りの区役所(保健福祉課、障害者担当窓口)で手続きする必要があります。
詳しくは記事としてまとめているので、そちらをご覧ください。
7.障害オープンで働くための必要な考え方
はい、ここでは障害オープンで働くための具体的な戦略について、お話します。
と、その前に、ぼくはいきなりの「正社員・フルタイム雇用」はオススメしません。
なぜなら、ブランクがある体でいきなりフルタイムで働くのは、かなり負担が大きいから。
数年ぶりに社会復帰したとして、初っぱなから
- 毎日8時間
- 残業あり
- 週5日勤務
- 毎日の通勤
の条件をこなすのは、めっちゃしんどいですよ。
入社して1ヶ月~3ヶ月くらいは「やる気」でどうにかなると思うけど、そこから先は一気に体調を崩す可能性が高い。
で、体調を崩してまた働けない状態(布団から出られない等)に戻ると、自分が一番落ち込むかと思います。
と、自分で自分を責める「無限ループ」に陥ってしまいそうじゃないですか(笑)。
なので、社会復帰も少しずつ労働時間や体力を慣らしていくために、パートタイムでの雇用を、ぼくはオススメします。
では、ここから先はぼくの就労体験談を交えながら、障害オープンでのパートタイム就労について話を進めていきますね。
◯書店で2年間、パートタイム雇用で働いた(障害オープン)
ぼくは、2014年5月~2016年5月までの2年間、大型書店で働いていました。
もちろん、障害オープンで、パートタイム雇用です。
配属先は「物流部門」。
仕事内容は
- 毎朝入荷する本の仕分け
- 返品用の本を箱詰め
- 電話応対
など。
【働きにくかったポイント】理解ある上司の人事異動
ぼくが入社面接を受けた時、店長Mさんと店長代理Dさんに、ぼくの双極性障害についてお伝えしました。
その後、入社してからもぼくの病気に配慮してくれて、仕事量などの配分もその都度相談しながら働けました。
が、入社から1年後、その店長Mさんと店長代理Dさんが人事異動のため、別店舗に行ってしまったのです。
大型書店なので、こういった人事異動は毎年のようにありました。
新しく赴任した店長Iさんと、店長代理Aさんは双極性障害に対して理解がなく、仕事がやり辛くなってしまいました。
- ぼくの病状に不向きな仕事をふってくる
- 報告、連絡、相談するのが億劫
- 店長たちとの信頼関係が崩れていった
上記3つの変化に耐えきれず、ぼくはこの書店を退職しました。
【この件から学んだ教訓】障害者の受け入れ経験がある会社の方がいい
同書店は、実は障害者を受け入れるのが初めてだったんです。
だから、ぼくの双極性障害に対しても「どう接したらいいか?」が手探り状態だったし、ぼくからも「自分の体調不良をどう伝えたらいいか?」が分かりませんでした。
なので、今から社会復帰を考えているあなたは、『過去に障害者の受け入れ経験がある会社』を選ぶことをオススメします。
まぁ、そういった優良企業の数はそこまで多くはないとは思いますが、求人を見る時の、1つの判断材料として覚えておいてください!
◯A型作業所に入社し、パートタイム雇用で働いている(2018年5月現在)
ぼくは、2017年12月から、A型作業所でパートタイム雇用で働いています。
前章で紹介したB型作業所と大きく違うのは、「雇用契約を結ぶ」ところです。
雇用契約を結ぶので、労働条件も少しハードルが上がります。
- 一日4時間勤務
- 週5~6日出勤
- 仕事内容は多岐に渡る
まぁ、一般的な会社でのパートタイム就労と、条件的にはほとんど変わらないですね。
唯一違うところは、こちらも「福祉サービス」だというところ。
なので、この事業所で一生働くわけではなく、スキルアップをして、ゆくゆくは一般企業で働くことを視野にいれてプランを立てます。
【働きにくいポイント】仕事のレベルが低い
ぶっちゃけ、仕事のレベルが低いです(笑)。
これは事業所によりけりだとは思うけど、ぼくがいる事業所はとにかくレベルが低い。
なぜそう思うのかについて、少し話させてください。
まず、ぼくが担当している仕事は、クラウドワークスでの「ライティング」案件です。
ここで、クラウドワークスについて馴染みがない方もいるかと思います。
例えるなら、他の会社が運営しているメディアの記事を「外部ライター」として書き、その会社に記事を納品する仕事です。
で、この仕事のなにが問題なのか?
ブログ運営歴2年のぼくからすると、今やってる仕事は全て
- 在宅で
- 一人で
- サクッと完結できる案件
なんですよ。
毎朝7時に起きて身だしなみを整え、9時半くらいのバスに乗って出勤しなくても、全て在宅で出来るっていう。
なんというか、行き帰りの時間も交通費も、全てがムダ。
【A型作業所の難点】この仕事を1年間続けたとして、自分は成長できるのか?
ぼくがこの会社を選んだ理由は「A型作業所でスキルを磨いて、一般就労に結びつける」という点でした。
でも、フタを開けてみると、低レベルな仕事を非効率でやらないといけない。
これって果たして、ぼくの成長につながるんだろうか?
この会社で1年間頑張って働いたとして、1年後のぼくは成長できているんだろうか?
【この件から学んだこと】入社してみないと分からない
この一件から学んだのは、ひと言に「障害オープンでの就労」といえど、入社してみないことには、自分に合っているかどうかは分からないということ。
とはいえ、今の職場にもいいところはあります。
- 体調を崩して欠勤する同僚はわりといる
- 障害や病状に合わせて就労時間を相談できる
- 自分のペースで仕事ができる
まぁ、ぼくはまだ入社して2週間くらいしか経っていないので、これから会社に少しずつ慣らしていく予定です。
ちなみに、A型作業所を利用する際も、最寄りの区役所(保健福祉課、障害者担当窓口)で利用申請をする必要があります。
◯障害オープンで働くことのメリット
障害オープンで働くことのメリットは、何と言っても「うそ」をつかなくていいところ。
上司にも同僚にも、自分の病気のことを知ってもらえている。
毎月の定期通院の日は休みを貰えるし、仕事中もこまめに休憩をとっていい。
「ありのままの自分」で働けるってのは、ストレスフリーな生き方に繋がりますよ。
8.「好きなこと」を仕事にするのが最強の働き方
これまでの自分の働き方を振り返ると、一番最強の働き方は「好きなこと」を仕事にすることです。
といっても、これはそう簡単に実現できることではありません。
一時期、ユーチューバー界隈では「好きなことで生きていく!」的なフレーズが流行ったけど、あれが実現できるのは、ほんの一握りの人だけです。
また、そういった「好きなこと」でカネを稼ごうとすると、好きなことが好きでなくなった時に、しんどくなる可能性が高い。
じゃあどうするのが賢明かというと、二足のわらじを履けばいいんです。
いや、正確には『三足のわらじ』になるのかな。
- 障害年金
- パートタイム給与
- 好きなことを仕事にしての収益
◯生活の基盤を、障害年金とパート給与で作っておく
まず、障害年金とパートタイム給与で「生活の基盤」を安定させておきます。
で、障害者手帳を120%使い倒して、毎月の生活コストを落としまくる。
例えばぼくの場合だと、
- 障害年金10万円(1ヶ月あたり)
- パートタイム給与5万円(1ヶ月あたり)
計15万円ほどのお金があれば、わりとフツーに生活できます。
そうして、空いた時間と残ったお金を、ブログ運営や読書にあてています。
とはいえ、ブログはすぐに稼げるビジネスではありません。
それでも、当ブログは毎月1000円分くらいのアマゾンギフト券が報酬として送られてきます。
また、ブログ運営で磨いたライティングテクニックを活用し、外部メディアにて「職業ライター」としても稼いでいます。半年で、計1万円以上の収益ですね。
あとは、ぼくは物を売るのが好きなので、家にある不用品(本、マンガ、アニメグッズ)などをメルカリに出品し、半年で約9万円超えの売り上げを達成しました。
働き方は数えきれないほどある!
別に正社員になることだけが全てじゃないし、自分の病状に合わせた働き方をするほうがストレスフリーだとは思いませんか?
ぼく自身、今の生活スタイルをいつまで続けるのかは分かりません。
というのも、もっともっと前に進んで「自分らしい生き方」をしたいから。
- うしらく にしか出来ない仕事
- うしらく にしか出来ない生き方
- うしらく にしか出来ない発信
おわりに
「働く」というのは、生きていく上でとてつもなくハードルが低いです。
特に、現代は働き方が多様化しているので、ほんの少し頑張れば働き口にたどり着けます。
ただ、それでも「働く」ことが難しいと考えている方は、高望みしすぎなんじゃないですかね?
- 正社員にこだわったり
- 給与面にこだわったり
- 仕事内容にこだわったり
なんというかこう、「条件」にばかり目がいって、肝心な「自分はどういう働き方がしたいか?」が置き去りになってしまっていると思うんですよね。
大事なのは、自分の病気とうまく付き合いながら働ける方法を考えること、ではないでしょうか。
ぼくの場合はいきなり正社員で働くのが厳しいから、パートタイムの仕事をしながら、在宅でマイペースに稼ぐ働き方をしています。
自分に合った生き方は、自分で作っていける
これから先の時代で必須な考え方は、「自分に合った働き方」を自分でコーディネートする力だと思っています。
あなたが今、どんな状況に置かれているのかは、ぼくには分かりません。
でも、どんな状況であっても「今、できること」は必ずあります。
それはもしかしたら、とてつもなく小さなことかもしれません。
それでも、その小さな芽を少しずつ育てていけば、やがて大きな樹になるでしょう。
かつて、双極性障害を発症した当初のぼくが、少しずつ「できること」を増やしていって、最終的に社会復帰できたように。
あなたの人生は、まだまだこれからだ!
あなたの人生は、まだまだこれから上昇していきます。
なので、今がどんなにつらくても諦めずに前を向いて、小さなハードルを一つずつクリアしていってほしいです。
もちろん、あなた一人で頑張ってとは言いません。
あなたのこれからの未来が、ストレスフリーな毎日であることを願っています。